超高純度の薬液をICP-MSで分析する場合、ICP-MSのインターフェースコーンへのダメージを避けるために薬液の希釈が必要になります。ASDMは、これらの薬液を2~1,000倍自動的に希釈し、ASAS IIおよびICP-MSと組み合わせて全自動分析できるシステムです。
■正確な希釈を実現
ASDMには、2つのロボットが搭載されており、1つは試料の希釈用、もう一方は、分析試料の吸引用に使用されます。
また、希釈ロボットにはシリンジポンプに接続されたPFA製プローブが取り付けられており、希釈倍率により2つのシリンジポンプおよびプローブを用います。溶液は、PFAチューブにのみ接触するため、汚染やメモリーのない希釈が可能となりました。
希釈要ラックにセットされた試料溶液および希釈液ポートの希釈液は、シリンジポンプでPFAチューブ内に吸引され、希釈ポートの一方に排出され希釈されます。その後、分析試料用ロボットが希釈ポートの希釈試料を吸引しASAS II を経由してICP-MSに導入されて分析が実行されます。
■効率的な自動分析
希釈不要の試料は、希釈なしラックにセットすることでそのまま分析することが可能です。
希釈ポートは2つあり、1つの試料を分析している間に、次の試料の希釈が実行されます。
分析が終了した試料は、希釈ポートからドレインに排出され、洗浄液および超純水で洗浄されます。
ASDMを清浄な状態で使用するためにミニFFUおよび排気口を設けたカバーを標準で装備しています。
ASDMには、2つのモデルがあります。
【酸・アルカリ用】
酸およびアルカリ性溶液に用いることができます。
希釈ポートを2つ備えており、酸およびアルカリ溶液が混在しても、
処理ができるように設計されています。
【有機溶媒用】
静電気の影響を避けるために、トレイ部分に帯電防止材を使用しています。
希釈液および洗浄液は、ボトルでの供給となります。
また、希釈試料用の空バイアルもあらかじめセットしてから使用します。