ICP-MSを用いた試料中の金属ナノ粒子定量分析および
ドライプラズマ条件での分析を可能にした革新的な技術です。
混合標準溶液を100%プラズマに導入することにより、
プラズマに導入する金属元素の絶対量を求めることができ、
プラズマから検出器までの感度を正確に得ることができます。
MSAGに搭載されている高性能シリンジポンプは、約1 µl/minの標準溶液をネブライザーに安定供給することができます。この微量な溶液はネブライザーに供給されるArガスの飽和水蒸気量よりも低いため、噴霧された溶液は気化されてICP-MSのプラズマに100%導入されます。プラズマ中に導入される絶対量を制御することにより、これまでナノ粒子分析で必要であった均一粒径単一金属の標準ナノ粒子を用いる必要がなくなりました。また、レーザーアブレーションのようなドライプラズマ条件での定量分析にも用いることができます。
ICP-MSのスプレーチャンバーとトーチ間にMSAGを設置することで、試料中の金属ナノ粒子濃度、粒径(粒径分布)、粒子数を各元素について求めることができます。プラズマに導入した各元素の絶対量とICP-MSで得られた値から、各元素毎に1カウント当たりの感度 (重量)を求めることができます。また、弊社のASASを標準導入系に用いることで、測定試料溶液をオートサンプラーにセットするだけで、スプレーチャンバーの透過効率からナノ粒子分析までを全自動化できます。
弊社のGED (気体中金属微粒子導入システム)と合わせることで、
MSAGによってガス試料中の粒子状およびガス状金属不純物分析を
オンラインで分析することができます。
また、レーザーアブレーション 装置と組み合わせることで、
固体試料中の金属定量分析も可能になります。